83歳の女子高生が周りに与えた影響とは。
こんばんわ。いたかなやです。
今日も来て頂いてありがとうございます。
先日テレビで見かけた『83歳の女子高生、上中別府チエさん』
野球部でベンチ入り!夢をあきらめない83歳の女子高生がすごい - NAVER まとめ
この人が、周りに与えたものってなんだったんだろう。
上中別府チエさんとは。
上中別府さんは、子供のころ教師になりたいという夢があったのですが、戦争のために小学校しか行けず夢が叶うことはありませんでした。その後、23歳で結婚するものの、2004年に夫が病死、そのとき上中別府さんは「やる気がなくなって、毎日何もする気がなくなった」というくらい落ち込んでしたそうです。
しかし、娘さんに「それじゃいけない」と言われたのをきっかけに、76歳で中学校に入学、79歳で高津高等学校の定時制を受験し合格、現在は週5日午後5時から9時まで学校に通い、家に帰ると復習をしているそうです。そのおかげもあってか、大半の教科の通知表が「5段階で5」なんだそうです。上中別府さんは「若い人に負けたくない気がするもん」と語っていました。
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戦争で小学校しかいけない時代。僕には想像もできない。
結婚してから、旦那さんが亡くなるまで、何を考えて生きてきたのだろう。
そして、旦那さんが亡くなった後、何を考えて学校に通い始めたのだろう。
83歳の女子野球部員誕生
担任で監督の中島克己教諭(45)から昨秋、「子どもたちにいい影響を与えてほしい」と野球部に誘われた。亡き夫や息子も野球好きだったことから入部し、キャッチボールやノックを受けるうちに楽しくなった。手作りのお菓子を差し入れたりして「チエさん」と慕われる。2月のバレンタインデーでは「お返しに」とグラブを贈られた。
通学するだけでも相当な体力がいるんじゃないかなと思う。
その中で、勉強もし、クラブ活動もこなす。本当にすごいパワーだと思う。
自ら野球部に入ったのならわかるが、顧問の先生も普通なら勧誘などしないだろう。
それでも、入ってほしいと思わせたのは、チエさんの人間性だったのだと思う。
経済的に余裕の無い定時制の生徒達が、バレンタインデーのお返しに高価な野球のグラブをプレゼントしたという話。本当に慕われていたのだなと感じる。
なぜ野球部に誘ったの?(監督談)
なぜ83歳のお婆さんを、わざわざ野球部に誘ったのか。同校で中島さんに話を聞いた。
チエさんはもともとクラスで人気者だった。定時制には「やんちゃ」な生徒が多い。机の上に座って中島さんが「降りろ」と注意しても無視をする。しかしチエさんか黙ってその生徒の裾を引っ張ると、大人しく降りる。
あるとき体育祭の種目決めがあった。楽な玉入れ競争に人気が集まり、チエさんがジャンケンで負けて選手に入れないと、クラスで1番やんちゃな生徒が口を開いた。
「おい、チエさんは永久シードだろうが」
他の生徒も「そうだよな」と納得してチエさんの選手入りが決まった。
「教室でもチエさんを囲んで普通に生徒が話をしています。無口な生徒もチエさんから『おはよう』と言われると『おはよう』と言う。またチエさんもわざと大きな声で生徒に話しかけてくれる。そんな光景を見ていて、チエさんが野球部に来てくれたらもっと生徒たちの環境が良くなるんではないかと考えて、誘ったんです」(中島さん)
なんで、あのおばあちゃんここにいるんだろう?
最初はみんな、そう思ったと思う。
クラスの端っこに、ぽつんと座っているだけではない。
先生の注意を無視した生徒の裾を引っ張る事ができる。
それがチエさんが慕われていった理由のひとつでもあるような気がする。
机に座っていた生徒が先生の注意を無視した理由はなんでしょう。
本当に机に座っていたかったんでは無く、
注意された事に、反発してみただけのような気がします。
何か変なプライドが働き、素直になれない自分に本人も気付いているでしょう。
それが、チエさんの前では、素直になれる。
チエさんに反発している自分は、とてつもない悪党に思えるから。
定時制高校の現状
「今の定時制は、ここにしか行くところが無かったという生徒が来ています。全日制の入試に失敗して私立に行く経済的余裕がなかったり、中学時代に不登校だったり。全日制の学校を退学になってくる生徒もいます」(同校教頭の綱川満広さん)
入学しても、厳しい家庭環境や経済的理由で学校に来なくなる生徒も多い。毎年だいたい3割から4割の生徒が退学していくという。だから定時制の先生は来なくなった生徒の家まで訪ねて、学校に来るように説得する。綱川さんは「ある生徒から『定時制の先生は諦めが悪い』と言われました。私はこれを褒め言葉だと思っている」という。
上にもあるような様々な問題を抱えた生徒が多い定時制高校。
その背景にある問題の影響なのか、いわゆる荒れている生徒も多い。
自分に対する劣等感をもつ生徒も多く、それが様々な面での「諦め」に繋がる事も多い。
そんな生徒達が、自分の夢を諦めないチエさんを見て、応援したくなったのではないだろうか。
自分も頑張ろうという元気をもらったのではないだろうか。
野球部の現状とその後
当時野球部はとても荒れていてリアル「ルーキーズ」状態だったそうなのですが、上中別府さんが毎日練習に打ち込む姿を見て、周りもまとまっていったそうです。ちなみに上中別府さんは定時制高校の大会で守備についたこともあるそうですが、普段は監督からの指示をマウンドに伝令する係として活躍されているほか、チームが負けて落ち込んだときは「なんでも一番になれるわけじゃないから、がんばろう」などと65歳も年下の部員たちを励ましているということです。
上中別府チエさんという83歳の現役女子高生の野球部員が感動的。おばあちゃんJK、夢を語る。行列のできる法律相談所で :にんじ報告
高校生くらいの時期は、良く考えるものです。
「自分は何のために頑張っているのだろう。」
その答えが見えないものに関しては、一生懸命になれないというのも、
ある意味うなずける気もします。
甲子園にいけない。プロ野球選手になんてなれない。
じゃあ何のために野球をしているのか。
昼間に仕事をしている定時制の生徒だからこそ、
そう感じる部分もあるのではないでしょうか。
ところが、チエさんは、どうでしょう。
毎日練習に打ち込むチエさんの姿をみたら、自分なら何を思うでしょう。
頑張る理由を探すのではない。
それ以前のすごく大切な何かがあるんじゃないか。
先生が実は、本当に教えたかったものがそこには、あるんじゃないでしょうか。
決勝戦で学んだ事。気付いた事。
高校定時制通信制軟式野球の神奈川県大会決勝が23日行われ、高津4年の上中別府(かみなかべっぷ)チエさん(83)が、0―1の6回1死満塁の場面で伝令として登場。背番号12をつけ、三塁ベンチから駆け足で飛び出すとスタンドから拍手が湧き起こった。
「落ち着いて。頑張れ」。マウンド中央でエース小鹿のお尻を2度、ポンポンと叩くとナインに笑みがこぼれた。
試合中はベンチの最前列で手を叩いて選手を鼓舞した。0―4で戸塚に敗れ、全国大会出場は逃したが「良い人生経験だよ」と涙を流す部員を励ました。準優勝の銀メダルを首から下げ「一生の宝物です。このチームは日本一」とすがすがしい表情を浮かべた。
良い人生経験だよ。
チエさんのいうこの言葉には、すごく重みがあるように感じる。
人生の終わりは死ぬときです。
逆に考えると、死ぬまでは終わりじゃないんだなと。
僕は、過程より結果を大事にするタイプだと思います。
しかし、今回の結果が、また今回の過程が、次やる事の過程になるんです。
それが、わかっている人は、結果より過程を大切にします。
結果を軽んじているわけでは、ありません。
結果の次の段階を見ているのかもしれません。
それが、今回の結果につながり、また次の結果につながる事を知っているからです。
83歳の女子高生が周りに与えた影響とは。
定時制の生徒の中には、劣等感を感じている生徒も多いと、上で紹介しました。
また、劣等感が「諦め」に繋がるという話もしました。
しかし劣等感とは、定時制高校の生徒だけが抱えている感情なのでしょうか。
答えは、明らかに No です。
①『他人と比べたときの自分が劣っていると感じた時』に感じる劣等感
②『目標などを達成できなかった時』に感じる劣等感
ふたつの例を挙げましたが、こんな事は誰にもあることです。
そう、大小はあるものの誰もが劣等感を抱いているのです。
しかし、劣等感を抱いているのは自分だけではないんだ。とわかったからと言って、
すぐに、「はい!頑張ります!」という風にならないところが、
教育の難しさだと思います。
では、チエさんはどんな魔法を使ったのでしょう。
もちろん魔法なんて使っていません。
魔法どころか、チエさんは何もしていません。
何もしていないと言うと語弊があるかも知れませんが、
チエさんは生徒であり、他の生徒を教育していたわけではありません。
ただ、
『チエさんに対して周りの生徒が優越感を感じる事ができた。』
だけなんだ。と僕は推測します。
劣等感と優越感は対になっていると考えます。
自分が劣等感を感じているという事は、
同時に、自分に対して優越感を感じている人物がいるという事を感じているはずです。
自分に対して優越感を感じている人物が自分の事をどう見ているのか。
見下されているだろう。馬鹿にされているだろう。
そういう風に感じていたんではないでしょうか。
しかし、自分がチエさんに対して優越感を抱いたとき、
想像していた事と、自分がチエさんに感じた事とのギャップに驚き、
自分の優しく暖かい気持ちに気付く事ができたんではないでしょうか。
劣等感の固まりだった自分が、優越感を感じることができた。
同時に自分の劣等感を和らげる事ができた。
そうさせたのは、チエさんの人間性であり、
自分自身の人間性でもあったんではないでしょうか。
何のために頑張るかではなく。
楽しいから頑張りたい。
チエさんと関わる事によって、
自分のそういう素直な気持ちに出会えたんじゃないでしょうか。
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