小学生が秘密基地から学ぶ事。
おはようございます。いたかなやです。
今日も来て頂いてありがとうございます。
先日、小学校低学年の学童保育の指導員をしている友人と飲みにいってきました。
その時に、面白い話が聞けたので、みなさんにも紹介したいと思います。
■学童保育、雨の日の遊び方
最近、外で遊ぶ小学生が少なくなってきたという話も聞きますが、
学童保育室では、けっこー外で遊ぶ事が多いそうです。
放課後の広い運動場で走り回っている小学生を想像しただけでも、
健康的だな〜と微笑ましくなりますね。
しかし、雨の日はそうはいきません。
児童たちは自分たちで室内でもできる遊びを考えるそうです。
いつもなら、けん玉や工作などをして遊んでいるそうなのですが、
先日、『秘密基地を作ろうぜ!』と立ち上がった4人の児童がいたそうなんです。
ちょうど、工作のための大量の段ボールがあったらしく、
それを使って、4人は立派な秘密基地を作り上げていきました。
■グループ意識
周りの児童は、驚いた事でしょう。
保育室の中に立派な秘密基地が出来上がっていくんですから。
『一緒に作らせて!』みんなそう言いたかったことでしょう。
しかし、途中から参加するのは、最初のメンバーに申し訳ないと、
子供なりに気を使っているらしく、誰もそういった声はかけませんでした。
しかし、そんな中、1人の児童が、4人に声をかけました。
『一緒に作らせて〜!』
『いや!!』
見事に粉砕しました。
明るく言ったはずなのに、
倍返しされました。
(僕は、見てないので想像ですが・・・笑)
小学生の時って、こういったグループ的なものが良く出来上がりますね。
それが、いじめに繋がらなければ、まぁ良いんでしょうが、
大人からみれば、入れてあげればいいのに。と思いますよね。
■それでもやっぱり作りたい
4人に参加を拒否されて、そのまま引き下がるのかと思いきや、
その子は引きませんでした。
『じゃあ横に作っていい??』
『いいよ!!』
いいんかい!!そこはアカンって言うところちゃうん!?笑
アカンと言われると思ったら、今度は良い方の倍返しで、
ビックリするほど、こころよく、横の土地をゲットしました。
そして、その子は、一人でせっせと秘密基地の横に、
自分だけの秘密基地をつくり始めました。
■秘密基地完成
4人の秘密基地が完成し、
横の小さな秘密基地も完成しました。
作る作業というのは、楽しく夢中になるものです。
(これぞフロー状態!!笑)
しかし作り終えた後は、ちょっと虚しくもなるものです。
普通ならここで終わってしまうのかもしれませんが、
4人の遊びはここで終わりませんでした。
需要があったからです。
本当なら作るのに参加したかったであろう、周りの児童が、
今度は秘密基地の中に入りたいと言い出しました。
『はいってもいい?』
『ひとり1回な!!』
断るのかな。と思いきや、
4人には自分たちの作った秘密基地を見てもらいたいという気持ちもあったのでしょう。
ひとり1回という条件を付けて、みんなに開放する事を決めました。
(この時点で、秘密でもなんでもありませんが。笑)
同じく、横の小さな秘密基地も、ひとり1回という条件付きで開放を始めました。
■子供達の不正が始まる
最初は、快く開放していた4人でしたが、
ひとり一回というルールを守れない児童が出始めました。
『お前2回目やろ!』といっても、
『1回目やし!』と言われてしまえば、2回目を証明する方法はありませんでした。
4人は考えました。
そして、入場券を発行することに決めました。
入場券には、4人の出席番号をつなげたような長い数字が書いてあり、
それを、秘密基地に入る時に確認し、入場券も回収するという方法を考えついたのです。
入場券をなくしてしまっても、数字を覚えておけば、入れるのですが、
子供には、到底覚えられないような長さだったそうです。
どこかに番号を控えておけば、2回目以降も入られるやん!!って思った方。
それは、子供達には、内緒です。笑
そして、同じように横の小さな秘密基地も入場券制度を取り入れました。
しかし、番号は、『22』というすぐに覚えられるものだったそうです。
■そこまでするか!!
うまくいったかのように思えたのですが、子供達の不正はここでは終わりませんでした。
秘密基地入りたさに、入場券を盗んだり偽造したりする子が出てきました。
さすがにこれはいけませんね。
入場券なくなって、泣き出す子も出てくる始末です。
指導員が、いけない事だと叱り、その場はおさまったそうですが、
やはり、考える事は大人と一緒なのですね。
善悪は、このようなところから学習していくのだな。と感じました。
ここだけの話、入場券を盗んだり偽造したりしていたのは、
横に小さな秘密基地を作った児童だったそうです。
■子供達が学んだ事
今回の秘密基地問題で子供達は何を学んだのでしょう。
言うまでもなく、盗んだり偽造をしたりする事は、
いけないんだというのは、しっかりと学習したことでしょう。
では、それ以外はどうでしょう。
子供達が、どこまで考えているかはわかりませんが、
良いアイデアを思いつけば、そこに需要が生まれる。
良い物を作れば、そこにも需要が生まれる。
その需要を高める事は重要で、
不正を寄せ付けないセキュリティーも必要である。
という、お金を稼ぐためには当たり前のように必要な事がいっぱい詰っていたと思います。
この学童保育室という狭い世界に、通貨が存在していれば、
この4人は、間違えなく大金持ちになれたでしょう。
■ちいさな社会
今回の件は、指導員が促したわけでもなく、
自然に始まって、自然に問題が起きて解決しました。
これは、ある意味、社会の流れと似ている気がしました。
実際には、不正が起ってからでは遅いので、
先読みして、対策をうっておくという事が必要になりますが、
子供達は、そういった事も学習できたのではないでしょうか。
さらに面白いなと感じたのは、
最初に秘密基地を作りたくても作る事ができなかった子供達は、
完成後に入りたいという気持ちがさらに高まっでいる。
という点。
4人が意図してやった事ではありませんが、
焦らす事によって需要を高める。
というのは、使える作戦だな。と勝手に関心していました。
■次の日も雨
実は、この次の日も生憎の天気だったそうなんです。
朝から指導員が、今日も雨かと頭を抱えていると、
段ボールを持った子供達が多数、登校してきました。
可愛いですね。
みんな本当は作りたかったんですね。
その日は、みんながいろいろな物を作って秘密基地を拡張していきました。
ガレージやオオカミ小屋もあったそうです。笑
秘密基地本体では、茶碗蒸し屋が営業を始めました。
(茶碗蒸しといっても、プリンのカップに折り紙を突っ込んだものだそうです。笑)
子供の発想ってほんとに面白いですね。
この日は、トラブルもなく、みんなで楽しく遊べたみたいです。
■僕が学んだ事
この話を聞いて、僕はすごく感動しました。
(そして、成長しました。)
子供達の無邪気な可愛さと、
すごく大人の世界をみているんだなという所にです。
子供の行動を通じて、
子供に見えている社会を体感できた気がしました。
大人になり、様々な知識が入ってくると、
それによって社会が動いていると考える事ができるようになります。
しかし、その知識や社会のマニュアルのようなものが無かったとしても、
人は生きていくでしょう。
そして、またそのマニュアルのようなものを作り上げていくことでしょう。
僕たちは、決められた事の上に様々な事を積み上げて生きていますが、
根本が何故そう決められているのか、どのようにして決められたのか。
そういう事を考える事が必要だと改めて感じました。
また、必要であれば根本を変える事も必要でしょう。
まー当たり前の事なんですけどね。
こういう事は、何かがきっかけで再確認させられるものです。
僕にとって、それが今回の秘密基地問題だったというだけのことです。
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